なでしこCKトレインの残像 宮間「今後も継続」
なでしこジャパン 宮間あや(岡山 湯郷ベル

主将の宮間(岡山湯郷)は「1試合ずつ大きくなっていくようなチームにしたい」と言う。ここまでは全て1点差で5連勝。驚異的な勝負強さを見せながら、たくましさを増している。

<女子W杯:日本1-0オーストラリア>◇準々決勝◇27日(日本時間28日)◇エドモントン


 日本のCKからの攻撃「トレイン作戦」が、FW岩渕のゴールの伏線になった。相手のマンマークを混乱させる、なでしこジャパンの新戦法。MF宮間あや(30=岡山湯郷)がCKを蹴る直前まで、DFの岩清水梓(28=日テレ)と熊谷紗希(24=リヨン)、MF阪口夢穂(27=日テレ)とFW大儀見優季(27=ウォルフスブルク)がペナルティーエリア内で体を寄せ合って縦並びとなった。さながら子どもの電車ごっこのようだった。
 
 岩清水が狙いを明かした。「マークもしづらくしてるし、結構マンツーマンでマークしようとする相手を外している感じ」。後半30分のCKでは大儀見がニアサイドに入って、岩清水はファーサイド。熊谷はゴール正面に向かい、阪口はこぼれ球を狙った。ほぼ一緒の並びや立ち位置から、さまざまなパターンがあるようだ。「どこに行くかわかんないっていう方が守りづらい。(相手は)ちょっと混乱している感じがあった。本当にこれはなでしこの強みだと思う。攻撃がCKで終われば、ラッキーという感じ」と話した。
 
 だが、この「トレイン作戦」を唯一行わなかったのが後半42分の得点時だった。コーナー付近に寄ってきた岩渕を宮間が「今回は中に」と制して蹴った。オーストラリアは“普通のCK”に戸惑った。昨年5月のアジア杯決勝で決勝のヘディングシュートを決めた岩清水にマークが集中。FWの岩渕はノーマークだった。
 
 宮間は「トレイン作戦」が功を奏したと振り返る。「意外と相手がつききれていない。オーストラリアの高い相手にも結構(ボールを)さわれていた。今後も継続して使っていく。小さい私たちでも勝てるスペシャル法です」。オランダ戦で試し、オーストラリア戦では徹底した。イングランドも体格の良い選手がズラリと並ぶ。連覇への得点量産に出発進行だ。

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なでしこ4強進出 岩渕決勝ゴール/準々決勝詳細

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<サッカー女子W杯>なでしこ観戦、早朝に50人 ベルの湯郷、メガホン手に熱気 /岡山

女子サッカー・ワールドカップ(W杯)カナダ大会の準々決勝でなでしこジャパンがベスト4進出を決めた28日、主将の宮間あや選手らが所属する岡山湯郷ベルの拠点、美作市湯郷の湯郷地域交流センターでは早朝の観戦イベントに約50人が集まり、大きな声援を送った。

 試合開始は午前5時だったが、会場はメガホンなどを手にしたサポーターの熱気であふれた。試合後半、待望の先制点をなでしこジャパンが取ると、総立ちで喜びを分かち合った。

 午前2時に起きて岡山市内から友達らと訪れた市立福田小5年、山本葉桜(はお)さん(10)は「なかなかシュートが決まらなかったけど、最後に点を取った時はかっこよかった」と笑顔で話した。

 家族で声援を送った美作市豊国原の飲食店店主、松本信幸さん(43)は「絶対勝つと信じていたので、不安はなかった。まだまだなでしこの活躍を見られると考えるとうれしい」と話していた。

 次戦の準決勝は日本時間の7月2日、イングランドと対戦する。
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